
【シリーズ・都市伝説】信仰をやめると祟られる「オシラサマ」
「オシラサマ」古くから信仰されてきた「家の神様」。
どんな都市伝説なの?
- 東北地方を中心に古くから信仰されてきた御神体。
- 各家庭で祀られていたとされる神様。
- 祟られた者は命を落とすとされている。
いくつもの禁忌がある御神体「オシラサマ」
オシラサマとは、東北地方を中心に古くから信仰されてきた「家の神」である。民俗学の研究対象として、明治時代以降多くの学者が取り上げてきたが、その起源はいまだ明らかになっていない。いつ、誰が、どのように祀り始めたのかは謎に包まれていると言われており、それは寺社の神ではなく、各家庭で祀られる神であったようだ。
御神体は、三十センチほどの木の棒に男女の顔や馬の顔を描き、そこに「オセンダク」と呼ばれる布の衣を着せたものが一般的である。オセンダクは年に一度、または二度、新しい布を上から重ねて着せる習わしがあり、長く祀られたオシラサマには、百枚を超える布をまとっていることもあると言われている。その姿はまるで信仰の年月を映すかのようである。
この神は家の守護神であると同時に、農作、病気平癒、豊穣など多くのご利益をもたらすとされる。中でも特に知られているのが、養蚕の神としての信仰である。
伝説によれば、昔ある長者の娘が家で飼っていた馬に恋をし、怒った父親が馬を殺してしまった。悲しみに暮れた娘は馬の亡骸にすがりつき、そのまま天へ昇っていった。娘と馬は一体となって神となり、これがオシラサマの始まりであると言われている。娘は昇天の際、父に蚕を残し「この糸で豊かに暮らせるだろう」と告げ去っていった。
この物語から、オシラサマは養蚕の守り神としても広く信仰されるようになった。しかし、この伝説は元々存在したオシラサマ信仰を後世に説明づけたものとも言われており、真の起源は今も不明である。
オシラサマを祀る際に行われる「オシラアソバセ」と呼ばれる儀式では、イタコが家を訪れ、祭文を唱えながら神を祀る。イタコが来られない家では、主婦が儀式を行う。この祀り事は女性のみが行うもので、男性や他家の者が行うことは固く禁じられている。
オシラサマには、こうした禁忌がいくつも存在する。特に知られているのが、肉や卵を口にしてはならないという掟である。
祀りの日は肉食を断ち、供え物にも動物性のものを用いないとされる。
また、「一度拝むとずっと拝まなければならない」ともいわれ、拝むのをやめたり、粗末に扱う事は厳禁であり、そうした不敬に対しては祟りがあると信じられている。これらの禁忌は、オシラサマが清浄を好む神であることを示すとともに、人々の間に深い畏れを生み出してきた。
オシラサマは人間を守る神というだけではなく、人々に畏怖される存在でもあるのだ。
参考サイト
オシラサマ…家々に受け継がれる信仰の重なりに、静かな畏れと不思議な魅力を感じた。
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